【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
そんな裏技は初耳だ。この国では神々の森に侵入はおろか近づくことさえタブーとされている。けれどニーナも子供の頃何度かこの森に入り遊んだ記憶があった。蘇った記憶が正しければ《彼》に出会ったのもこの森だ。そう考えると確かに森全体に竜族の結界が張ってあり近づくことはできない、という常識は少なくともニーナが物心ついた頃には現実では無かったのだ。
「見てごらん、ニーナ。ここが目的地――森を護る者たちの村だ」
ニーナがひとり納得していると、馬はグルルッと唸って足を止めた。
そこはまだ森の中だけれど、目の前には小さな小屋が並んでいる様子は、一目でここに暮らしている人たちがいるのだと悟る。神々の森に入れること同様、この場所で暮らす者がいることをニーナは全く知らなかった。今日は驚きの連続だ。
「森を護る仕事とはなにを具体的にはどういったことをされている方々なのですか?」
「ああ、それは――」
『あっ! ロル様だあ! みんなー! ロル様が来てくれたよお!』
目の前にぴょんっと現れたのは一匹の子猫だった。木から飛び降りてきたのだろう。空中でくるりと回って、人の姿に戻るとぱっと笑顔で声をあげた。
「見てごらん、ニーナ。ここが目的地――森を護る者たちの村だ」
ニーナがひとり納得していると、馬はグルルッと唸って足を止めた。
そこはまだ森の中だけれど、目の前には小さな小屋が並んでいる様子は、一目でここに暮らしている人たちがいるのだと悟る。神々の森に入れること同様、この場所で暮らす者がいることをニーナは全く知らなかった。今日は驚きの連続だ。
「森を護る仕事とはなにを具体的にはどういったことをされている方々なのですか?」
「ああ、それは――」
『あっ! ロル様だあ! みんなー! ロル様が来てくれたよお!』
目の前にぴょんっと現れたのは一匹の子猫だった。木から飛び降りてきたのだろう。空中でくるりと回って、人の姿に戻るとぱっと笑顔で声をあげた。