【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
五章
村民に別れの挨拶をして、馬を走らせ城に着いてふたりでシャワーを浴びた。
お互いロルフが竜の姿になったことに直接は触れない。けれど、行き場のない気持ちを共有しあうように互いを求めあい、何度も何度も口づけていたらそれだけでのぼせそうになってしまった。
別れの挨拶の際に、少年にこっそり耳打ちされた言葉を思い返す。
「おねえちゃんはロルフ様が好きなんだね」
「なっ、えっ」
「大丈夫。気づいてるのは僕だけだよ。他の人は大人でもロルフ様に会ったことがないんだって。だからずっと僕も怖い人だと思ってたんだ。でも、違ったんだね」
「……うん。そうなの。とっても優しくて、でも不器用で、素敵な王子様。私の、好きな人なの」
ロルフの真の姿を見てくれている人がいる嬉しさも相まって、つい告白してしまった。まだ本人にも言っていないのに。
そんなロルフはニーナの世話をいつも以上に焼きたがった。有無を言わせず、ふわふわのタオルでニーナの身体を包み、脱がせる手順と逆なだけだと体中に口づけを落としながらワンピースを着せていく。