【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
(国王陛下にとってロルフ様は血の繋がった我が子なのに……不義の子だなんて、有り得ない。だって、ロルフ様は竜化できるんですもの)
ロルフの汚名返上のため、今すぐここで真実を話してしまいたい。けれど、呪いの原因が王にあると疑っている以上、ロルフはまだ今まで通りを装う必要がある。
ふわり、と爽やかな香りが漂ってきて、ニーナの顔を覗いたのは金髪の男だった。
「やあ、ニーナちゃん。僕たちよく会うねえ」
人懐っこく、美しく微笑む王太子の声に、話しかけられたニーナより先に反応したのは扉の奥の王妃だった。
「ミカエル……!」
固く閉ざされていたはずの王の寝室は簡単に開かれて飛び出てきた王妃がミカエルに抱きついた。その光景は、義理の親子というよりも恋人同士が再開したかのようだ。
先程ロルフを不義の子と罵った人と同一人物とは思えない。
義理の親子であることは、ミカエル様もロルフ様も同じなのに。
「ミカエル、どこにいたの? 旦那様の体調が相変わらず良くなくて……私不安なのですよ。旦那様になにかあったら私……その時はミカエル、貴方しか頼れないんですもの。旦那様もそれを望んでいらっしゃいますわ」
ロルフの汚名返上のため、今すぐここで真実を話してしまいたい。けれど、呪いの原因が王にあると疑っている以上、ロルフはまだ今まで通りを装う必要がある。
ふわり、と爽やかな香りが漂ってきて、ニーナの顔を覗いたのは金髪の男だった。
「やあ、ニーナちゃん。僕たちよく会うねえ」
人懐っこく、美しく微笑む王太子の声に、話しかけられたニーナより先に反応したのは扉の奥の王妃だった。
「ミカエル……!」
固く閉ざされていたはずの王の寝室は簡単に開かれて飛び出てきた王妃がミカエルに抱きついた。その光景は、義理の親子というよりも恋人同士が再開したかのようだ。
先程ロルフを不義の子と罵った人と同一人物とは思えない。
義理の親子であることは、ミカエル様もロルフ様も同じなのに。
「ミカエル、どこにいたの? 旦那様の体調が相変わらず良くなくて……私不安なのですよ。旦那様になにかあったら私……その時はミカエル、貴方しか頼れないんですもの。旦那様もそれを望んでいらっしゃいますわ」