【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
「あれは王妃の花だ。毒性が強く、触れると肌が爛れてしまう。香水の材料になど危険過ぎて使えないんだ」
それに今、あの花については独自に調べさせている。
そう耳打ちされてニーナは目を伏せた。
調香室に篭もっているだけで結局なにも掴めていない。これかもしれないと思ったものは検討はずれもいいところだ。
事情を知らないリリィは切羽詰まったニーナにおろおろと寄り添ってくれる。やるせない。
堂々巡りが絶望にたどり着きそうになった瞬間、バンッと大きな音を立てて誰かが植物園に入ってきた。ニーナは瞬時にロルフと一緒に木の陰に隠れた。リリィも王太子がどこかへ隠してくれたようだ。
ほっとするよりも早く、女の金切り声が響く。
「まだなの!? もう時間が無いのよ! 早くあの香水を完成させてちょうだい。これが最後の1本なのよ? この花を手に入れるのがどれだけ大変だったか、お前は分かっているの?」
その声は一緒に入ってきた従者らしき男性を矢継ぎ早に責め立てる。
ニーナとロルフは顔を見合わせた。その声が王妃のものだったから。
それに今、あの花については独自に調べさせている。
そう耳打ちされてニーナは目を伏せた。
調香室に篭もっているだけで結局なにも掴めていない。これかもしれないと思ったものは検討はずれもいいところだ。
事情を知らないリリィは切羽詰まったニーナにおろおろと寄り添ってくれる。やるせない。
堂々巡りが絶望にたどり着きそうになった瞬間、バンッと大きな音を立てて誰かが植物園に入ってきた。ニーナは瞬時にロルフと一緒に木の陰に隠れた。リリィも王太子がどこかへ隠してくれたようだ。
ほっとするよりも早く、女の金切り声が響く。
「まだなの!? もう時間が無いのよ! 早くあの香水を完成させてちょうだい。これが最後の1本なのよ? この花を手に入れるのがどれだけ大変だったか、お前は分かっているの?」
その声は一緒に入ってきた従者らしき男性を矢継ぎ早に責め立てる。
ニーナとロルフは顔を見合わせた。その声が王妃のものだったから。