【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
けれど、慰め方を知らなかったニーナは、他人が笑顔になる瞬間で唯一自分の知っている方法として、彼に香り玉を渡したのだ。好きな香りを嗅ぐと、みんな笑顔になる。母もニーナ自身もそうだ。
『この香り玉にあなたの好きな香りをいれるわっ、だから……その……』
『……君はどんな香りが好き?』
驚いていた彼は物珍しげに布袋に入った香り玉を覗く。
受け取ってくれたことが嬉しいニーナはぽんぽんと声を弾ませた。
『えっと、石けんの香り! それから昨日一緒に食べたチェリーもいい香りだったし、それから日向ぼっこしてるときの香りもすきよ! あとは……あっ! ほら、あの雲なんて柔らかくておいしそうできっと素敵な香りだわ!』
ニーナは目に入るもの全ての香りに心が躍っていた。空を指さしたときには少年がくつくつと笑う声が響く。
『選択肢がありすぎるな。でもそうだな……俺も君と日向ぼっこしたときの香りは好き。でも雲の香りは嗅いだことがないから選べないな……』
一緒に日向ぼっこをしているとき、暖かい木漏れ日に包まれて目が合うと嬉しかった。
あの多幸感を共有しているみたいで、彼がそういってくれた喜びにぱっと笑顔になる。
彼は、そんなニーナの顔をみてさらに笑った。
『この香り玉にあなたの好きな香りをいれるわっ、だから……その……』
『……君はどんな香りが好き?』
驚いていた彼は物珍しげに布袋に入った香り玉を覗く。
受け取ってくれたことが嬉しいニーナはぽんぽんと声を弾ませた。
『えっと、石けんの香り! それから昨日一緒に食べたチェリーもいい香りだったし、それから日向ぼっこしてるときの香りもすきよ! あとは……あっ! ほら、あの雲なんて柔らかくておいしそうできっと素敵な香りだわ!』
ニーナは目に入るもの全ての香りに心が躍っていた。空を指さしたときには少年がくつくつと笑う声が響く。
『選択肢がありすぎるな。でもそうだな……俺も君と日向ぼっこしたときの香りは好き。でも雲の香りは嗅いだことがないから選べないな……』
一緒に日向ぼっこをしているとき、暖かい木漏れ日に包まれて目が合うと嬉しかった。
あの多幸感を共有しているみたいで、彼がそういってくれた喜びにぱっと笑顔になる。
彼は、そんなニーナの顔をみてさらに笑った。