【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
「…………え?」
「気色悪いって言ったんだよ。これが愛だ? 父を殺して、義理の息子に色目を使うことが?」
「……ミ、ミカエル……なにを言っているの? この香水を作るためにあの花を手に入れるのがどれだけ大変だったと思っているの? あなたが子供の頃からずっとあなたを護ってきたわ。あなたに近づくいやらしい女は全て排除してきたんですもの。すべては真実の愛のために……」
「そんな一方的な押しつけは愛じゃない。僕はそれがようやく分かったんだ」
ミカエルは穏やかな表情ではっきりと王妃を否定した。それに対して王妃は声を震わせる。
「……ああ……そこにいる無能とあの不義の調香師のせいね……あの優しく美しいミカエルがそんなこと言うはずないわ……!! ああっ、かわいそうなミカエル! でももう大丈夫よ……!」
王妃は拘束が緩んだ隙に振りほどき、噛み付くようにロルフから香水を奪うと、寝室の閉ざされた窓に衝突する勢いでぶつかった。
勢いよく開いた窓からは、満ちたばかりの赤い満月が現れた。薄暗い寝室を照らし出す月光はまるで燃えさかる炎のようだ。
王妃は目を見開き両手を満月に向けて広げ高らかに叫んだ。
「気色悪いって言ったんだよ。これが愛だ? 父を殺して、義理の息子に色目を使うことが?」
「……ミ、ミカエル……なにを言っているの? この香水を作るためにあの花を手に入れるのがどれだけ大変だったと思っているの? あなたが子供の頃からずっとあなたを護ってきたわ。あなたに近づくいやらしい女は全て排除してきたんですもの。すべては真実の愛のために……」
「そんな一方的な押しつけは愛じゃない。僕はそれがようやく分かったんだ」
ミカエルは穏やかな表情ではっきりと王妃を否定した。それに対して王妃は声を震わせる。
「……ああ……そこにいる無能とあの不義の調香師のせいね……あの優しく美しいミカエルがそんなこと言うはずないわ……!! ああっ、かわいそうなミカエル! でももう大丈夫よ……!」
王妃は拘束が緩んだ隙に振りほどき、噛み付くようにロルフから香水を奪うと、寝室の閉ざされた窓に衝突する勢いでぶつかった。
勢いよく開いた窓からは、満ちたばかりの赤い満月が現れた。薄暗い寝室を照らし出す月光はまるで燃えさかる炎のようだ。
王妃は目を見開き両手を満月に向けて広げ高らかに叫んだ。