【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
声をあげたのは第二王子・ロルフだった。突然の発言に周りがざわつく。
「……ロルフ、あなた。まさかあの者を愛人にでもしようというの?」
「ああ、それはいい。それなら構わないでしょう。俺の愛人が貴女の香水をつくるわけじゃない」
バチッと火花の音が聞こえてきそうな雰囲気だ。とても母と子の会話とは思えない。
当事者のニーナを置いて、話がどんどん進められる。
――だんだん腹が立ってきた。
出て行けと言ったり、愛人にすると言ったり。
人のことをなんだと思っているのか。
ニーナは頭だけは冷静になっていくのを感じて、王子と王妃を真っ直ぐ見据えた。
「私は調香師です。 愛人になりに来たのではありません。まるで物のように扱われるのはとても不愉快です」
これ以上この場所に立っていても意味がない。
不義の子と呼ばれた調香師は、王妃の一声によって、両脇を拘束され罪人のようにその場からつまみ出された。
来る時は晴れやかだった気分も、まるで土砂降りの雨が降ったかのように重い。スッキリと晴れた晴天ですら妙に鼻をついた。
放り出された場所から行くあてもなくふらふらと歩く。家には帰りたくない。
「……しかたない、のよね」
いつもの事だ。
「……ロルフ、あなた。まさかあの者を愛人にでもしようというの?」
「ああ、それはいい。それなら構わないでしょう。俺の愛人が貴女の香水をつくるわけじゃない」
バチッと火花の音が聞こえてきそうな雰囲気だ。とても母と子の会話とは思えない。
当事者のニーナを置いて、話がどんどん進められる。
――だんだん腹が立ってきた。
出て行けと言ったり、愛人にすると言ったり。
人のことをなんだと思っているのか。
ニーナは頭だけは冷静になっていくのを感じて、王子と王妃を真っ直ぐ見据えた。
「私は調香師です。 愛人になりに来たのではありません。まるで物のように扱われるのはとても不愉快です」
これ以上この場所に立っていても意味がない。
不義の子と呼ばれた調香師は、王妃の一声によって、両脇を拘束され罪人のようにその場からつまみ出された。
来る時は晴れやかだった気分も、まるで土砂降りの雨が降ったかのように重い。スッキリと晴れた晴天ですら妙に鼻をついた。
放り出された場所から行くあてもなくふらふらと歩く。家には帰りたくない。
「……しかたない、のよね」
いつもの事だ。