【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
木の下に落ちていた服をみつけ、この子のものだと確信したニーナは辺りを見渡して人がいないことを確認してから子供の服を口にくわえて、木に手をかけた。
「待っててね、今おろしてあげるからね」
登るのに邪魔なドレスを捲り上げる。こんなことならボロを着てくればよかったと思いつつ、ニーナは器用に木に登った。
そして手を伸ばして届く距離までくると、安心させようと両手を差し出す。だが、余程怯えてしまっているらしく、全く動いてくれる気配がない。
困ったニーナは少し悩み、そうだ、とポケットにしまった香水を取り出した。日向ぼっこの香水。陽の魔力をたっぷり含んだ香りはきっとパニックになっている心を穏やかにしてくれるはずだ。ニーナは子供の服に香水をかけて、子猫に向かってふわりと投げた。
「おいで。もう大丈夫よ」
子猫に香水をまとった服がふわりとかかる。
ニーナが優しく声をかけると、香りに鼻をぴくぴくと動かした仔猫が次第に落ち着きを取り戻したようで、元気よくニーナの胸に飛び込んできた。
仔猫を受け止めるつもりでいたニーナは両手を拡げていたが、受け止めると同時にその姿は少年の姿となる。
「にゃっ! おねーちゃん!」
「よかった――って、わっ……!」
「待っててね、今おろしてあげるからね」
登るのに邪魔なドレスを捲り上げる。こんなことならボロを着てくればよかったと思いつつ、ニーナは器用に木に登った。
そして手を伸ばして届く距離までくると、安心させようと両手を差し出す。だが、余程怯えてしまっているらしく、全く動いてくれる気配がない。
困ったニーナは少し悩み、そうだ、とポケットにしまった香水を取り出した。日向ぼっこの香水。陽の魔力をたっぷり含んだ香りはきっとパニックになっている心を穏やかにしてくれるはずだ。ニーナは子供の服に香水をかけて、子猫に向かってふわりと投げた。
「おいで。もう大丈夫よ」
子猫に香水をまとった服がふわりとかかる。
ニーナが優しく声をかけると、香りに鼻をぴくぴくと動かした仔猫が次第に落ち着きを取り戻したようで、元気よくニーナの胸に飛び込んできた。
仔猫を受け止めるつもりでいたニーナは両手を拡げていたが、受け止めると同時にその姿は少年の姿となる。
「にゃっ! おねーちゃん!」
「よかった――って、わっ……!」