【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
足音から遠ざかるため、まずは草むらに隠れ辺りを見渡す。管理人がいなくなってからこっそり退出しよう。草陰からそっと顔を出すと、身体が宙に浮いた。
「……見つけた」
ニーナを持ち上げたのはロルフだった。白銀の髪を乱して、眉間に皺を寄せほんの少し息が上がっている。
――依頼を放って遊んでいたからお怒りなんだわ……!
猫化して遊んでいる場合では無い、本能がそう叫んだからだろうか。狼狽したニーナの身体はぽんっと弾けるように人の姿へと戻った。
「あ、あの、申し訳ありません……! これには訳が……!」
なぜ香水に魔力を込める必要があるのか、話をしたくて探していたはずのロルフの前で慌てふためいてしまう。
自分が一糸まとわぬ姿であることに気がついたのはロルフが脱いだ胴衣でニーナを包んでからだった。
「あっ……わっ、そのっ……ああ……」
ようやく現状を理解したニーナは、慌ててその場にしゃがみ込んだ。そのまま膝の力が抜けてぺたんと草の上に尻餅をつく。太陽の光をたっぷり吸い込んでいた草からキラキラと光の粒が溢れて、舞い上がる。
匂いを嗅ぐ余裕なんてないニーナは集中のあまり顔を真っ赤にして言葉にならない言葉をはくはくとこぼした。
「まったく君は……っ、クソッ」
「……見つけた」
ニーナを持ち上げたのはロルフだった。白銀の髪を乱して、眉間に皺を寄せほんの少し息が上がっている。
――依頼を放って遊んでいたからお怒りなんだわ……!
猫化して遊んでいる場合では無い、本能がそう叫んだからだろうか。狼狽したニーナの身体はぽんっと弾けるように人の姿へと戻った。
「あ、あの、申し訳ありません……! これには訳が……!」
なぜ香水に魔力を込める必要があるのか、話をしたくて探していたはずのロルフの前で慌てふためいてしまう。
自分が一糸まとわぬ姿であることに気がついたのはロルフが脱いだ胴衣でニーナを包んでからだった。
「あっ……わっ、そのっ……ああ……」
ようやく現状を理解したニーナは、慌ててその場にしゃがみ込んだ。そのまま膝の力が抜けてぺたんと草の上に尻餅をつく。太陽の光をたっぷり吸い込んでいた草からキラキラと光の粒が溢れて、舞い上がる。
匂いを嗅ぐ余裕なんてないニーナは集中のあまり顔を真っ赤にして言葉にならない言葉をはくはくとこぼした。
「まったく君は……っ、クソッ」