【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。
大分端折ってしまったがここに来るまでの経緯を説明する。迷子になる前に香水を落としてしまったことも話すとロルフがじっとニーナの体を凝視し始めた。
――役に立たないと思われたわよね……いらないって言われるかもしれない。
羽織ったロルフの大きな胴衣のなかで身体をびくっと縮込ませる。
「今朝の割れたカップに素手で触れようとするところといい……君は意外と危なっかしいな。ここには鋭い葉や微毒をもつ花も多い。……怪我はしていないか」
ニーナは目をぱちくりさせて、少し遅れて頷いた。まさか心配されるとは思ってもみなかったのだ。
「香水はあとで探しに行こう。誰かが拾っているかもしれない」
男の手がニーナの頬に触れる。
まるで子猫に触れるように躊躇いがちにそっと包み込まれ、伏せがちだった視線をあげる。
怒ってない。それはロルフの蒼い瞳と視線が重なってようやく分かった。その瞳は一見冷たくみえるけれど優しい光をともしてニーナを見つめている。
――ロルフ様に触れられるのは嫌じゃない……むしろ安心する。
ニーナは無意識に、頬に触れる手にすり寄った。
「ここにいるのが俺じゃなかったらなんて考えただけでおかしくなりそうだ」
悔しげな声が降ってきて、そのまま唇が重ねられた。
――役に立たないと思われたわよね……いらないって言われるかもしれない。
羽織ったロルフの大きな胴衣のなかで身体をびくっと縮込ませる。
「今朝の割れたカップに素手で触れようとするところといい……君は意外と危なっかしいな。ここには鋭い葉や微毒をもつ花も多い。……怪我はしていないか」
ニーナは目をぱちくりさせて、少し遅れて頷いた。まさか心配されるとは思ってもみなかったのだ。
「香水はあとで探しに行こう。誰かが拾っているかもしれない」
男の手がニーナの頬に触れる。
まるで子猫に触れるように躊躇いがちにそっと包み込まれ、伏せがちだった視線をあげる。
怒ってない。それはロルフの蒼い瞳と視線が重なってようやく分かった。その瞳は一見冷たくみえるけれど優しい光をともしてニーナを見つめている。
――ロルフ様に触れられるのは嫌じゃない……むしろ安心する。
ニーナは無意識に、頬に触れる手にすり寄った。
「ここにいるのが俺じゃなかったらなんて考えただけでおかしくなりそうだ」
悔しげな声が降ってきて、そのまま唇が重ねられた。