baby’s breath(眠れる森の王子は人魚姫に恋をした side story)
35階からの景色は雲の中に隠れどこもかしこも真っ白で何も見えなかった。時々風が横に吹いていることがなんとなくわかる程度の視界だった。
二人掛けのダイニングテーブルとその奥にはソファーセットが置かれていた。
「ご家族は外出中なの?ご両親がご不在なのにお邪魔して良かったのかしら?」
「アッハッハッハ!」
おかしなことを言ってしまったんのだろうか、葛城くんの笑いのツボを押してしまったようだ。
「香澄ちゃん、俺、もう28だよ?俺、一人暮らし。友達なんかはほとんど結婚して子供がいるよ。」
こんな凄いマンションに一人暮らし何て発想が私には備わっていなかった。彼はバイトしかしていないのだから、当然、実家暮らしだとばかり思っていたのだ。
…ということは?一人暮らしの男性の家に一人で来ちゃったの!?それって不味くない!?
「あ…。」
「大丈夫、香澄ちゃんが嫌がることはしないよ。俺、本当に香澄ちゃんの事が大好きだから嫌われたくないし。ほら、勉強するんでしょ?」
ダイニングテーブルで勉強をするように勧められた。カバンからテキストとノートを広げていると暖かいココアを入れて持ってきてくれた。
「ありがとう。」
「俺、あっちの部屋でやることがあるから、用事あるなら声かけて?」
「うん。わかった。」
葛城くんはそう言うと別の部屋にこもってしまった。静かになった部屋で勉強をしていると時々人の話し声が聞こえてきたが英語で話しているので、内容も分からず特に気にならなかった。
1時間ほどすると葛城くんが部屋から出てきた。思いのほか集中できたので予定より多くの範囲勉強できた。
「どぉ?勉強は捗ってる?」
「うん、一人にしてくれたおかげでレストランの休憩室で勉強するより捗ったよ!ありがとう。」
「香澄ちゃん、その笑顔可愛すぎる。そんな顔されると男はキスしたくなるから他の男にはしちゃだめだよ!」
そうやって頬を膨らませている葛城くんの方が絶対に可愛いと思う。絶対に年上には見えない。
「何言ってるんですか!私にキスしたい人なんていませんよっ!」
「俺は香澄ちゃんとキスしたいけど?」
「えっ?」
さっきまでのふざけた葛城くんとは違う真剣なまなざしに目が逸らせなくなる。私の反応を伺うかの様にゆっくりと彼の顔が近づいてくると唇と唇がそっと重なった。
「…ごめん、嫌だった?」
「嫌…じゃない。」
キスが嫌だったら避けられるほど、ゆっくりと彼は近づいてきてくれた。避けなかったのは残念なことに私の意思だ。恋愛なんかしている余裕ないのに…。
「ほんと?」
「うん。ほんと…。」
「やばい。嬉し過ぎる。…もっとしていい?」
なんで葛城くんがこんなに私の事を好いてくれるのか理由が分からなかった。
どこにでもいる平凡な容姿の自分。そして面倒な家族まで抱えている。私に構ったところで彼になんの得があるのだろうか…。
そんなことを考えながら黙っていると、葛城くんの大きな手で私の顔を包みもう一度キスをした。リップ音と共に唇が離れると一瞬葛城くんの表情が険しくなった。
「ここ、痣になてるけどどうしたの?まさか、前に話していたお義父さん?」
前髪を少し上げると数日前に殴られたところが痣になって額に薄っすらとまだ青く残っていた。
「…えぇ、そうなの。実は昨日義父がお酒に酔って暴れてしまって…。」
「まだ痛い?」
葛城くんが心配そうに眉を顰める。
「もう、そんなに痛くないから平気。」
「ねぇ香澄ちゃん、マジな話、俺と結婚してここに一緒に暮らさない?お母さんの事が気になるなら俺が二人とも面倒を見るよ。」
「またそんな冗談を…。」
「冗談なんかじゃないよっ、俺、本気で香澄ちゃんが好きなんだ。」
必死で思いを伝えようとしているのか、先ほどの触れるだけのキスとは違い深く絡みあってくる。そっと体に回された手からも大切に扱われていると伝わる。
「…ねぇ、このまま香澄ちゃんを俺のものにしたい。ダメかな?」
「でも、この後バイトが…。」
「大丈夫、それまでには終わらせる。香澄ちゃんも俺の事好きでしょ?」
「…好きよ。…でも。」
ずっと気持ちにブレーキをかけていたはずなのに、本音が出てしまった。
「嬉しい。早く俺の部屋に行こ。」
そう言うとあっという間に抱き上げられ、先ほど葛城くんがこもっていた部屋へと連れて行かれた。そして、ゆっくりとキスをしながらベッドの上に降ろされる。
耳元で『好きだ』と囁かれるとフワフワとした気分になり心地良く、首筋にキスをされると少しちくりとした。
「香澄ちゃんと俺の部屋でこうしているのが夢みたいだ。」
熱を帯びた葛城くんの瞳がいつもと違って少し怖い。
「葛城くん…まって、私、こーゆーことした事なくて…。」
彼の胸に手を当てて少し抵抗してみる。
「ごめん…、香澄ちゃん。もう止められない。ゆっくりするから…。香澄ちゃんと一つになりたい。俺たち両想いでしょ?」
葛城くんはキスを続けながらゆっくりと私の服を脱がせていき、優しく体中にキスをした。
そして、下着の中に彼の手が入ってくると恥ずかしさで耳まで真っ赤に熱くなり死にそうな気持になる。このまま流されてはいけないと頭では分かっているのに、初めての感覚に驚きと心地良さで動けない…。
「ごめんっ、もう本当に俺、我慢とか無理だから…。ちゃんと責任取るから…。最後までしたい…。」
「…んぁっ!」
頭がぼーっとしている間に葛城くんがボソボソ言ってると思ったら、身体に何かが入ってきた。
「香澄ちゃん、愛してる!!!」
葛城くんの動きに合わせて声が出てしまうが、それをキスで塞がれる。呼吸も動きも激しくなりもう何が何だかわからなかった。大好きな彼と繋がっている幸せだけが押し寄せる。
「香澄ちゃん…、俺っ!」
そう言うと葛城くんは慌てて体を離し、ベッドのヘッドボードに置かれたティッシュに手を伸ばした。
二人掛けのダイニングテーブルとその奥にはソファーセットが置かれていた。
「ご家族は外出中なの?ご両親がご不在なのにお邪魔して良かったのかしら?」
「アッハッハッハ!」
おかしなことを言ってしまったんのだろうか、葛城くんの笑いのツボを押してしまったようだ。
「香澄ちゃん、俺、もう28だよ?俺、一人暮らし。友達なんかはほとんど結婚して子供がいるよ。」
こんな凄いマンションに一人暮らし何て発想が私には備わっていなかった。彼はバイトしかしていないのだから、当然、実家暮らしだとばかり思っていたのだ。
…ということは?一人暮らしの男性の家に一人で来ちゃったの!?それって不味くない!?
「あ…。」
「大丈夫、香澄ちゃんが嫌がることはしないよ。俺、本当に香澄ちゃんの事が大好きだから嫌われたくないし。ほら、勉強するんでしょ?」
ダイニングテーブルで勉強をするように勧められた。カバンからテキストとノートを広げていると暖かいココアを入れて持ってきてくれた。
「ありがとう。」
「俺、あっちの部屋でやることがあるから、用事あるなら声かけて?」
「うん。わかった。」
葛城くんはそう言うと別の部屋にこもってしまった。静かになった部屋で勉強をしていると時々人の話し声が聞こえてきたが英語で話しているので、内容も分からず特に気にならなかった。
1時間ほどすると葛城くんが部屋から出てきた。思いのほか集中できたので予定より多くの範囲勉強できた。
「どぉ?勉強は捗ってる?」
「うん、一人にしてくれたおかげでレストランの休憩室で勉強するより捗ったよ!ありがとう。」
「香澄ちゃん、その笑顔可愛すぎる。そんな顔されると男はキスしたくなるから他の男にはしちゃだめだよ!」
そうやって頬を膨らませている葛城くんの方が絶対に可愛いと思う。絶対に年上には見えない。
「何言ってるんですか!私にキスしたい人なんていませんよっ!」
「俺は香澄ちゃんとキスしたいけど?」
「えっ?」
さっきまでのふざけた葛城くんとは違う真剣なまなざしに目が逸らせなくなる。私の反応を伺うかの様にゆっくりと彼の顔が近づいてくると唇と唇がそっと重なった。
「…ごめん、嫌だった?」
「嫌…じゃない。」
キスが嫌だったら避けられるほど、ゆっくりと彼は近づいてきてくれた。避けなかったのは残念なことに私の意思だ。恋愛なんかしている余裕ないのに…。
「ほんと?」
「うん。ほんと…。」
「やばい。嬉し過ぎる。…もっとしていい?」
なんで葛城くんがこんなに私の事を好いてくれるのか理由が分からなかった。
どこにでもいる平凡な容姿の自分。そして面倒な家族まで抱えている。私に構ったところで彼になんの得があるのだろうか…。
そんなことを考えながら黙っていると、葛城くんの大きな手で私の顔を包みもう一度キスをした。リップ音と共に唇が離れると一瞬葛城くんの表情が険しくなった。
「ここ、痣になてるけどどうしたの?まさか、前に話していたお義父さん?」
前髪を少し上げると数日前に殴られたところが痣になって額に薄っすらとまだ青く残っていた。
「…えぇ、そうなの。実は昨日義父がお酒に酔って暴れてしまって…。」
「まだ痛い?」
葛城くんが心配そうに眉を顰める。
「もう、そんなに痛くないから平気。」
「ねぇ香澄ちゃん、マジな話、俺と結婚してここに一緒に暮らさない?お母さんの事が気になるなら俺が二人とも面倒を見るよ。」
「またそんな冗談を…。」
「冗談なんかじゃないよっ、俺、本気で香澄ちゃんが好きなんだ。」
必死で思いを伝えようとしているのか、先ほどの触れるだけのキスとは違い深く絡みあってくる。そっと体に回された手からも大切に扱われていると伝わる。
「…ねぇ、このまま香澄ちゃんを俺のものにしたい。ダメかな?」
「でも、この後バイトが…。」
「大丈夫、それまでには終わらせる。香澄ちゃんも俺の事好きでしょ?」
「…好きよ。…でも。」
ずっと気持ちにブレーキをかけていたはずなのに、本音が出てしまった。
「嬉しい。早く俺の部屋に行こ。」
そう言うとあっという間に抱き上げられ、先ほど葛城くんがこもっていた部屋へと連れて行かれた。そして、ゆっくりとキスをしながらベッドの上に降ろされる。
耳元で『好きだ』と囁かれるとフワフワとした気分になり心地良く、首筋にキスをされると少しちくりとした。
「香澄ちゃんと俺の部屋でこうしているのが夢みたいだ。」
熱を帯びた葛城くんの瞳がいつもと違って少し怖い。
「葛城くん…まって、私、こーゆーことした事なくて…。」
彼の胸に手を当てて少し抵抗してみる。
「ごめん…、香澄ちゃん。もう止められない。ゆっくりするから…。香澄ちゃんと一つになりたい。俺たち両想いでしょ?」
葛城くんはキスを続けながらゆっくりと私の服を脱がせていき、優しく体中にキスをした。
そして、下着の中に彼の手が入ってくると恥ずかしさで耳まで真っ赤に熱くなり死にそうな気持になる。このまま流されてはいけないと頭では分かっているのに、初めての感覚に驚きと心地良さで動けない…。
「ごめんっ、もう本当に俺、我慢とか無理だから…。ちゃんと責任取るから…。最後までしたい…。」
「…んぁっ!」
頭がぼーっとしている間に葛城くんがボソボソ言ってると思ったら、身体に何かが入ってきた。
「香澄ちゃん、愛してる!!!」
葛城くんの動きに合わせて声が出てしまうが、それをキスで塞がれる。呼吸も動きも激しくなりもう何が何だかわからなかった。大好きな彼と繋がっている幸せだけが押し寄せる。
「香澄ちゃん…、俺っ!」
そう言うと葛城くんは慌てて体を離し、ベッドのヘッドボードに置かれたティッシュに手を伸ばした。