離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
老若男女の領民が入り乱れた騒がしい夕食を終えて、自室に戻ったザラはまた新聞を開いた。
ザラがエドワードの見事な策略と手腕に笑みがこぼれる。ザラが提示した求婚の試練「平民になってみろ!」をエドワードは着実にこなそうとしていた。
「狡賢いことを考えさせたらお前の右に出るものはおらん」
だがエドワードと言えど簡単な話ではない。国を巻き込み次から次へと必死に事を起こす姿を見ていると、ザラの胸にむずがゆく淡い気持ちが湧いてきてしまう。
全身全霊でザラとの結婚を勝ち取ろうとするエドワードは、国をも変えてしまおうとしている。
そうやって愛のためにもがく姿を、ずっと見ていたい気持ち渦巻いていた。
「我のために世を変えようなどという男も……そなた以外におらんの」