離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

立ち上がったエドワードがルドルフに意識が飛んだ暗殺者の身柄を投げ渡す。ぐったりした暗殺者を受け取ったルドルフは顔をしかめて、両手からその重さを投げ出した。汚らわしい肉体だ。


「蛙腹大臣たちが事を起こすと聞いて駆けつけましたが、遅かったですね」

「大丈夫大丈夫、僕がこんな下っ端に殺られるわけないでしょ!」


ルドルフの肩をパンパンと叩いてエドワードが口端を上げて笑う。

国王ともなれば、王太子であった子どもの頃から暗殺百戦錬磨である。


王太子を襲撃して内乱を起こしたい輩、誘拐して金が欲しい輩、王太子への個人的な恨み。


暗殺理由を上げればきりがない。


エドワードは自衛の術として剣技、体術の習得は必須であった。知略計略、剣技に悪戯。あらゆる方面に秀でる才能の持ち主なのだ。ちなみに恋愛の方面は重さに特化している。

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