離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


エドワードは喜びが隠しきれなかった。エドワードへの恨みを爆発させるざまあ作戦がしっかり進行中なのを肌で感じる。ざまあ作戦が成功すれば、それすなわちザラとの結婚だ。


奇妙な笑い声をあげるエドワードを眉間に皺を寄せたルドルフが見つめていた。


(何もかも兄様の思い通り。政局をここまで操れる手腕を持った兄様が、王から退くなんて……)


兄を尊敬するルドルフは、後継者を引き受けたものの、兄が王座に君臨する姿に惹かれて止まなかった。


ルドルフが暗殺者をゲシゲシ足で踏みつぶしながら考え込んでいる間に、なぜかエドワードは起き上がり着替えを始めていた。


「兄様、こんな夜中にどちらへ?」


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