離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

天の上から見下ろされたかのごとく重く冷たい視線がエドワードに突き刺さる。ザラは堂々と足を組んで椅子に座っているだけだというのに、見下されているこの感覚。


エドワードは幼少の頃から、このザラの高圧的圧迫に惹かれてやまない。


ザラに偉そうに君臨されることこそ、国王エドワードの至福なのだ。


幼馴染のザラと、ついに昨日、法律で決まりきっていた結婚にこぎつけた。

翌日の今日、本当に法律通りに彼女は離縁を突きつけてくる。

もちろんのこと初夜なんてなかった。


「昨日、キスした仲でしょ?もうちょっと育もうよ」

「我の生まれながらの使命であった国王にキスする役目は終わった」

「僕はあんなんじゃ全然足りてないよ」

「そなたの満足など聞いておらん。触れるだけでいいものを、ぐちゃぐちゃと舌まで入れたくせに何が足りないじゃ」

「ちょっと食べるともっと欲しくなる気持ちわかる?」

「エドの欲張りにはつき合ってられん」


エドワードはなんやかんやと引き延ばして、妻にしたまま彼女の心を射止めようと思っていた。

なのに、ザラはもう離縁だと騒ぎたてる。


まだ結婚して1日なんですけど!
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