離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

エドワードは使えない大臣を黙らせて仕事をさせる。蛙腹を重そうに抱えた大臣は咳をしながら去って行った。


使える人物ほど無駄口を叩かない。ルドルフが典型だ。エドワードはため息をついて、正面に立っているルドルフに次の指示を出す。


「ルドルフ、僕がざまあ用に作っていた建物がほぼ完成している。中身は空っぽだけど急いで整えて、感染者の隔離用建物に使って」

「集めいていた人材も全て投入ですね」

「そう。みんな良い医者だからね。がんばってくれるはずだ。感染対策も怠らないで金をしっかりかけて。貴族狩りで集めた汚い金がいくらでもあるから、惜しみなく使えるよ」

「了承しました」


ルドルフが一つの無駄もない動きで早足で去って行く。エドワードは次々に集まる情報に目を配り、頭の端でザラを想う。

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