離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

エドワードからジェニットに褒美として爵位が与えられた。国の危機を守ったハミルトン家への爵位に文句は一切出なかった。皆、紛れもなく命を救われたからだ。


式典を終え、公爵授与のお祝いパーティが行われた。エドワード主催の大仰なパーティだ。ドレスで着飾ったジェニットの元に、元気のないエドワードが挨拶に訪れる。


「ジェニット嬢、元気?今回は本当にありがとうね」

「いえ、こちらこそ爵位にパーティまで身に余ります」

「いいのいいの」

「その、国王様はお元気ですか?あの時よりよっぽどやつれて見えますが」


挨拶もそこそこに、ゲッソリしているエドワードにジェニットは内心ハラハラしていた。見るからに生気がない。


「まあ……ちょっと考え中。諦めたりしないけど、うぅ……今日ザラは?」


今にも泣きそうな顔をするエドワードだったが、その瞳はザラを探しまくっていた。ジェニットは重い口を開いて、言いにくいことを吐き出す。ザラがいない理由は内緒にしておくように言われている。ザラは悪戯好きなのだ。

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