離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
「ザラ様はその、ちょっと……お忙しくて。言付けを承っております」
「何?」
「良い風が吹くようにと」
エドワード大好き!とか言ってくれるのかと思ったが夢見過ぎていた。今回の気を持たせてからプイッとする遊びは、もちろん大好きなのだけれどひたすらダメージが重い。
「そっか……うん、わかってないけどわかった」
全く覇気がないエドワードだが、己の役目はきちんと果たすために切り替える。国の救世主であるジェニットには、まだ褒美が足りない。
「爵位くらいじゃお礼にもならないと思ってね。これが君にとって褒美になるかは本人次第!なとこなんだよ」