離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
エドワードが急にペラペラと早口で話し始めて、ジェニットは内容がつかめなかった。
「どういうことでしょうか?」
「ルドルフ、こっち来て」
エドワードが周囲をうろついていたルドルフを呼び寄せる。
エドワードの元に集まったルドルフとジェニットは互いに目を合わせて挨拶して照れ合う。二人が揃うだけで甘ったるい空気が漂ってくるのでエドワードは咳払いした。
「ご用でしょうか、兄様」
「ルドルフ、お前はもう僕に一生の一度のお願い使っちゃったからね!もう使えない!これからは全部僕の言う通りだから!」
ビシッとルドルフを指さして、エドワードがえっへんと胸を張る。ルドルフはふっと笑って胸に手を当てて頭を下げた。
「はい、喜んで」
従順な可愛い弟にエドワードが柔和に笑う。
「うん、じゃあ。ルドルフとジェニット嬢は婚約ってことで」