離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
ルドルフとジェニット、両方の手を取って、エドワードがぎゅっと握らせ合う。
「「ええ?!」」
二人はアタフタしながら顔を見合わせて真っ赤になってしまった。また甘ったるい空気に、エドワードは口にいっぱいクッキーを詰められた気分だ。甘いけど口が乾いてパサパサする。
二人は赤い顔を見合わせてドキドキもごもごしているが、お互い手を振り払う様子はない。
真っ赤になって立ち尽くす二人を置き去りに、エドワードがパーティ会場の高台に立ち上る。
「ちゅうもーく!」
国王が立ったのを見て、パーティ会場の視線が集まった。エドワードが声を張り上げる。
「みんないい知らせだよ!我が弟ルドルフと、公爵令嬢ジェニットが今日、婚約しましたー!」
会場から拍手が巻き起こり、会場のど真ん中で手を握り合っていたルドルフとジェニットに、生温かい視線が飛ぶ。
まだ真っ赤な顔を見合わせているルドルフとジェニットに、エドワードがビシッと両指を差した。
「王弟と公爵令嬢!過不足ないナイスカップルー!国王公認だよ!」
会場の拍手に承認されて、ルドルフがジェニットの腰を抱いて周囲に頭を下げていた。
(いいなぁールドルフ……)