離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

金色のサラサラ髪に青い瞳。エドワードは容姿端麗であり、各能力に非常に秀で、若くしてすでに国王の地位にいる。先代がエドワードの才を見込んで早く退いたからだ。


これ以上、至高の男がどこにいるという恵まれた男である。盲目的にザラを愛してやまないところ以外に、非の打ち所がないと言ってもいい。


だが、ザラはエドワードに目もくれずに離縁して、真実の愛を探す旅に出るという。え、ありえない!ありえない!


「そなたは嫌いではない。が、最初から手近にいた男で済ますなど、癪じゃ!」

「癪?!国王を魅了しておいて、癪だからの一言で離縁するのすごくない?!さすがザラなんだけど!」


エドワードは何度も繰り返した押し問答をたどりつつ、ザラが偉そうに組んでいる足に縋りつきたくなる。国王をひれ伏させる平民にうっとりしてしまうのだ。


しかし、離縁はいただけない。

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