離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
場を収めて、やっとテーブルを挟んで席についたエドワードとルドルフは落ち着いて話を始めた。
「ということでルドルフ。僕は、禁断の『国王独裁権』を発動するから協力してね」
「ということって何でしょうか?ということとは?文脈はいずこへ?」
さすがに早過ぎる展開に、兄の言いなりになりたい病を患うルドルフもツッコミを覚えざるを得なかった。兄は賢過ぎるがゆえに愚弟はついていけないことがある。申し訳ないがもう少し噛み砕いてもらいたい。
「国王独裁権」はわかる。
その名の通り、国王が独裁的にヤンチャしちゃっても不問になる驚異的な権利だ。古来から残っている悪習だが、常識的に歴代国王は使ったことがなかった。エドワードは禁断のそれを持ち出すという。