離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
「いいか、ルドルフ。僕は民に被害を与えることなく、むしろ利益を持って国王を辞任する。計画はこうだ」
エドワードはザラに試練を受けてから考えた作戦を、始めから終わりまで流暢に語った。
ルドルフはきちんと話を最初から最後まで聞いて、何度も頷く。突飛ではあるのだが、確かに民の大きな利益となる辞任計画だった。
「独裁権は過激ですが上手い使い方です。さすが兄様。僕には考えつきません」
「こんな裏技は考えつかなくていいんだよ。まっすぐに正しいところがお前の長所だ」
エドワードはルドルフにビシッと指を差して、ニヤリと笑った。
「この計画を【ざまあ作戦】と命名する」
「ざまあとは何ですか?」