離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

ザラは集まった女性たち全員に問いかけるが、誰もが首をひねって黙っていた。


どの女性たちも子育てに農作業しかしたことのないものたちだ。


「そなたたち、モノをつくるという発想がそもそもないのじゃな。


発言せぬといないも同じじゃぞ。機会損失もいいところじゃ」


ザラの叱責ともとれる厳しい声に、領民女性たちが肩を竦めた。


ジェニットにもモノづくりの発想はなかったが、手を上げて質問する。ジェニットは偉そうで人を委縮させるザラに真っ向から向かっていく。


恥じている暇はないからだ。


「機会損失とはどういうことでしょうか、お教えください!」

「うむ、世の贅沢品の大半は

『女性のモノ』でできておる」


ザラは怒っていたわけでもなんでもなく、淡々と話し出す。


偉そうなだけで怒ってないのだ。
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