離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
「そなた欲しいものはあるか?贅沢なものがよいの」
ザラはニコリと一つ笑えば、女性は即落ちだ。うっとりザラに惚れた声を出した。
「ざ、ザラ様……!」
「さあ、そなたの知恵を貸してくれ」
顎元にザラの指がかかって、顔を上に向けさせられた女性は真っ赤になって頭から湯気が出ていた。その様子を周りで見ていたものたちが、興奮して次々と声を上げ始める。
「私、農作業なんてできないふりふりのドレスが欲しい!」
「私は指輪よ!」
「貴族の方だけが使うっていう香水を使ってみたいわ!」
「私、私は!」
ザラが色気を振りまけば、あっという間に女性たちのファンができあがり、活発な意見交換が行われ始めた。
「もっとそなたたちの声を聞かせてくれ」
ザラは深く頷いて、妙齢の女性であろうが、若い女性であろうが、一人一人の頭をぽんぽんと撫でて回った。女性たちはザラからの褒美にカチンコチンに固まって顔を赤くする。
ザラはコツコツ足音を鳴らして女性たちの前に置いた椅子まで歩き、ふんぞり返って座った。
「良いぞ、ではそなたたちの欲しいものを作ろう」
(((ざ、ザラ様かっこいいーーー!!!)))
領民女性を魅了したザラを中心に、女性向け商品開発の活発な会議は白熱したのだった。