離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
子育てと農作業に追われ続けていた女性たちが、元気に発言して新しいことに挑戦する姿に、ジェニットは胸打たれた。
「見よ、ジェニット。彼女らには可能性が満ちている」
「そうですね、こんなに楽しそうなみんな、初めて見ました」
「うむ。彼女らを活かすも殺すも教育次第なのじゃ」
「教育?」
最後にぽんぽんとジェニットの頭を撫でたザラは優しく微笑んだ。
ザラは女領主として成長中のジェニットの前で、
金を作り出すためのヒントと、
人の活かし方を教えた。領主として全て必要な能力だ。
ザラはこの会合を通じて、ジェニットに教えを授け、領民女性たちに発言する勇気を与えたのだ。
「ジェニット、この国には今はまだ教育の基盤がない。教育をせずにいれば機会損失も甚だしいのじゃ」