離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

子育てと農作業に追われ続けていた女性たちが、元気に発言して新しいことに挑戦する姿に、ジェニットは胸打たれた。


「見よ、ジェニット。彼女らには可能性が満ちている」

「そうですね、こんなに楽しそうなみんな、初めて見ました」

「うむ。彼女らを活かすも殺すも教育次第なのじゃ」

「教育?」


最後にぽんぽんとジェニットの頭を撫でたザラは優しく微笑んだ。


ザラは女領主として成長中のジェニットの前で、

金を作り出すためのヒントと、

人の活かし方を教えた。領主として全て必要な能力だ。


ザラはこの会合を通じて、ジェニットに教えを授け、領民女性たちに発言する勇気を与えたのだ。


「ジェニット、この国には今はまだ教育の基盤がない。教育をせずにいれば機会損失も甚だしいのじゃ」

< 70 / 324 >

この作品をシェア

pagetop