離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


一瞬不安になったジェニットをザラの頼もしさがすぐさま一掃してくれる。ジェニットは胸がキュンキュン鳴いて、ザラに抱きついた。


「ザラ様!大好きですかっこいい!私のお姉さんになってください!!」

「考えておこう」


ザラは素直で愛くるしいジェニットからの要望に笑って、背中を叩いてやった。白熱した会議は深夜に終わりを迎えた。会議を仕切ったジェニットが大きな声で発表した。


「みんなお疲れ様!ハミルトン領特産のモミ葉を用いた新商品は「香水」でいきます!」


会議を見守ったザラが、椅子にふんぞり返ったまま足を組み直して微笑した。


「ハミルトン領でしか採れないモミ葉の地域性は限定感があり、香水は男が女に贈るとさらに意味が出る。

良い企画じゃ。やってみるがいい」


ザラの後押しを受けて、満場一致の拍手でモミ葉香水の開発が決まった。

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