離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

「だって心配ってか会いたいから居場所くらい教えてくれてもよくない!?」

「この不届きものが!こんな足いらん!」

「こ、こらザラ!僕がつくった義足を投げるのはやめてよ!」


ザラが投げつけた義足を受け取ったエドワードが、その生温かさに顔を擦りつける。


「わーい、ザラの義足あったかーい」


義足に頬をスリスリするエドワードを、診療室から戻って来た領民たちが遠目に見てヒソヒソし始める。


エドワードはザラの義足に擦り寄って、ため込んでいたものをぶつぶつ流し出す。


「僕会いたいのめちゃくちゃ我慢してたよ」

「アンドリューのくせにか?」

「アンドリュー君だけどね……いっぱい我慢したんだから褒めてくれてもいいんじゃない?」
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