離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
こいつは昔からこうだ。ちょっと冷たくすると死ねっていうのか!とごねられ泣かれブツブツ言って、ザラはついつい隣を許してきた。
小さき頃は泣き顔が可愛いものだったが、でかくなった今は扱いづらくて仕方ない。
「ああもうわかった。アンドリューじゃな」
「そうそう、よろしくね」
エドワードはすぐにブツブツを終了して切り替え、柔和に微笑む。
会いに来るなの条件を曖昧にしたザラも隙があった。エドワードと名乗らなければいいなどという裏技を編み出させてしまった。こいつはずる賢いのだ。