離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─
また重苦しい挨拶を軽々と依頼するエドワードに、ザラはきっぱり首を振った。
「アンドリュー君とは初対面じゃ。先っぽのない足にキスの挨拶をさせる仲ではないな」
「くッ……今すぐエドワードになりたい」
「元からエドワードだろう、そなたは」
「アンドリューです……」
「ややこしい奴じゃ」
奥歯ギリギリするエドワードの情緒は高低が激しいが、通常通り元気そうだ。
会いに来るなと条件を付けたものだから、こんな滑稽な偽名で会いに来るとは、本当に困った国王様だ。