緋色の徴（しるし） リリカとサリエル（魔法の恋の行方シリーズ１1）

魔女の内情

＜魔女の内情について＞

天使長のグルシアは、自分の住処であるマンションの４０２号室の鍵を開けた。

天界では武闘派であり、魔女討伐の最高責任者だった。

が、大魔女アレクサンドラの捕獲、そして徴（しるし）を自ら
つけることになり、
現在、アレクサンドラとは、
ニンゲン界で夫婦として生活をしている。

彼はニンゲン界で、大学教授として
漆原要（うるしばらかなめ）として、
比較宗教学の講義をしている。

今回は学会出張だったが、一本前の飛行機に乗る事ができ、
早く帰ることができたのだ。

「ただいま、サンドラ」

アップルパイの甘い香りがする。

アレクサンドラは、お菓子作りにはまっていて、焼き菓子をよく作っている。

作りすぎた時は、隣の教会のサリエルにも、おすそ分けをしているらしい。

甘く、カラメルの少し焦げた香りは、幸福の香りだ