緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
「リリカが来るから、いっぱい買っといたんだよぉーー。
ダーリンのお土産も開けるね」

リリカとアレクサンドラは
甘い物を食べている時、本当にうれしそうな顔をする。

たかだか、アイスで盛り上がっている様子は、こどもっぽいし、姉妹のようだ。

グルシアは苦笑した。

「それで、相談というのは?」

リリカは大魔女で、現役の奴だ。
話を、早く終わらせる方がいい。

グルシアが仕事モードに切り替えた事を、リリカも察したようだ。

「その、最近の魔界事情が大きく変わってさ、んで、魔女のやる仕事が、変わっちゃったんだよ」

リリカは、また大きく口を開けてアイスクリームをほおばった。

アレクサンドラが、リリカのフォローに入った。

「つまり、魔界ではサキュバスが強くなって、
ニンゲン界の誘惑仕事を、サキュバスがやることになっちゃったんだ」

リリカは、上目遣いにグルシアを見た。

その目は・・

今まで魔女を目の敵にして、
攻撃してきた奴が、本当に協力してくれるのかという、猜疑心に満ちたものだった。

「魔女のほうは、なんか真面目な子ばっかりが入ってきて・・
薬草やりたいとか、呪文とか、
魔法陣とかね」
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