緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
「それでっ?」

グルシアは、本題になかなか入らないリリカに、イラつく様子を見せた。
まどろっこしい奴だ。

「ああーー、そんで、魔女をやめたいって子も出てきて、困っているわけ」

「魔女を辞めたい?」

「うん、魔界と手を切るには、
寿退職が一番でさ。
あんたら、天使に徴(しるし)をつけてもらうのが、いいかなって」

徴(しるし)をつけてもらいたがっているって・・

天使との結婚を望んでいるのか。

信じられない・・
グルシアは大きく息を吐いた。

「アタシとしては、一応、上司なんで、あの子たちの身の振り方を心配しているわけよ。
それでぇ・・」

リリカは、マスカラの濃いまつ毛をバチバチさせて

「オトコ天使と、合コンやったらいいんじゃねーーって思ったわけ」

「はぁ、合コン・・天使と!!」

グルシアはあきれたように、声をあげた。


「アンタは天使長だから、部下で、よさげなオトコ天使を、見繕ってくんないかなぁ?」

リリカはそう言って、
アレクサンドラに、援護を頼むように視線をやった。
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