緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
そう言って、リリカを上から下までじっくりと眺めた。

「君さぁ、もっとニンゲン界の
オトコを勉強したほうがいいよ。
それに、君のその恰好、いかにもって感じで、オトコは逆に引くよね。
そのスタイルって、昭和だよ。
まず、古い!」

リリカの眉間に、しわがくっきりと寄り、口が歪んだ。

「アタシのスタイルって・・
こっちの勝手じゃない!!
なんで、アンタに、そこまで言われなくちゃなんないんだよっ!
はぁ、もうっ!!帰る!!」

リリカは立ち上がると、玄関に向かってバタバタ走って行った。

バターンッ!!

大きな音を立てて、扉が閉められると、グルシアが顔をしかめ、
肩をすくめた。

「もう少し、言い方ってもんが
あると思うが・・」

サリエルは、さも当然と言うように

「そーかなぁ、でも事実だよ。
リリカちゃんは、きちんとニンゲン界の現実を見たほうがいい。
部下がいるなら、なおさらだね」

サリエルはアップルパイをほおばり、うなずいた。

「これ、おいしいね。
シナモンが効いている」

「サリエルは、シナモンが好き・・なんだぁ?」
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