緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
アレクサンドラが、紅茶のカップを両手で持ちながら、つぶやいた。

「うん、シナモンロールとか好きだよ」

その言葉に、アレクサンドラが、エメラルドグリーンの瞳を細めた。

グルシアが話題を変えた。

「まぁ、困っている魔女に、恩を売るのも、今後、何かの役に立つかもしれない。
取りあえず、合コンの面子(めんつ)を考えておいてくれ」

アレクサンドラは
テーブルの上に置いてある、参加者希望のプロフィール写真を手に取り、フンフンうなずいている。

「皆、まじめそうな魔女ちゃんだな。
邪悪さがない、控えめな感じだ。
これだと、魔界では厳しいかもしれないな」

「設定は・・段取りはどうする?」
グルシアがサリエルに聞いた。

「オトコ天使でフリーの奴、何人かいるから聞いてみる。
場所は個室のとれるところ、肩の張らないイタリアンかフレンチでどうだろうか」

サリエルが、即答した。

「日取りと時間、場所が決まったら、連絡する。
幹事は、僕とリリカちゃんでいいね。費用は人数割り。
2次会はその時のなり行きで」

手慣れたように、スマホで店の検索を始めた。
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