緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
<魔女の合コン・その2>
赤ワインで乾杯して、それぞれが自己紹介をした。

若い魔女たちは、真面目そうで、うつむき加減、こういった席に
なれていない印象だ。

お堅いスーツ姿が、新入社員の
ような初々しさを見せている。

合コンというより、初めての仕事の顔合わせの席といったようで、

その中で、リリカは一人だけ、我、関せずというように、ワインをグビグビ飲んでいた。

そして、大皿でくるピザやスパゲッティ、カルパッチョ、サラダもガシガシ食べていた。

「2時間たったからね、そろそろお開きね」

リリカは、バックから大きな黒いがま口を出して

「はい、人数割り勘ね。
一人2000円でOK」

お局様役を発揮して、リリカは魔女たちの間を回り、集金していく。

そのすきに、天使とライン交換している魔女もいた。

リリカはさっさと、会計を済ませて店を出た。

「私、電車で帰るから、じゃあね。さよなら」

そう言うと、さっそうと身を翻して、うす暗いガード下のほうに向かった。

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