緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
「ねぇ、この子が女の子で、
魔女になりたいって言ったら、困る?」
そのエメラルドグリーンの瞳が、濡れている。
「アタシは、ダーリンを困らせたくないな・・
ここから出ていってもかまわないよ?」
「俺が何とかする。
こどものためにも!!
心配しなくていいから、体調だけ注意してくれ」
そう言って、グルシアは強く抱きしめた。
「でもさ、ごめんねぇ・・」
アレクサンドラはお腹に手を当てて、小さくつぶやいた。
「謝ることはない・・」
グルシアもその手に、自分の手を重ねた。