緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
ベッドのシーツは、ぐしゃぐしゃで、緋色の羽も散らばったままだった。
「リリカちゃん、こっち、キッチンだよ」
サリエルが上はワイシャツ、
下はバスタオルを巻いたまま、
開いているドアの向こうから、手招きをした。
「コーヒー入れたから、おいで」
リリカは、そのまま廊下で立ち止まった。
玄関のドアは、すぐ脇にある。
「あの・・サリエル、これは、
呪いなんだよ」
サリエルは不思議そうな顔をした。
「呪いって・・?」
「だから、<花嫁の呪い>って言って、花嫁のブーケを受け取った魔女が、最初に出会った人と・・
つまり、徴(しるし)をつける関係になっちゃう呪い」
リリカは、早口で言いながら、
後ろ手でドアノブを握った。
「なるほど、なかなか興味深い話だね」
サリエルはあごに手をやり、
呪いの種別について、脳内検索をしているのだろう、
目が宙に浮いている。
「でもさ、もう、これで解除されたから。だから、心配しないで。さよなら」
リリカがくるりと背を向けて、
ドアノブをまわしたが、開かない。
「リリカちゃん、こっち、キッチンだよ」
サリエルが上はワイシャツ、
下はバスタオルを巻いたまま、
開いているドアの向こうから、手招きをした。
「コーヒー入れたから、おいで」
リリカは、そのまま廊下で立ち止まった。
玄関のドアは、すぐ脇にある。
「あの・・サリエル、これは、
呪いなんだよ」
サリエルは不思議そうな顔をした。
「呪いって・・?」
「だから、<花嫁の呪い>って言って、花嫁のブーケを受け取った魔女が、最初に出会った人と・・
つまり、徴(しるし)をつける関係になっちゃう呪い」
リリカは、早口で言いながら、
後ろ手でドアノブを握った。
「なるほど、なかなか興味深い話だね」
サリエルはあごに手をやり、
呪いの種別について、脳内検索をしているのだろう、
目が宙に浮いている。
「でもさ、もう、これで解除されたから。だから、心配しないで。さよなら」
リリカがくるりと背を向けて、
ドアノブをまわしたが、開かない。