緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
これは天界の天使が、ニンゲン界で魔女が邪悪な行動をしないようにする、マーキング・管理システムだ。

ぶっちゃけ、オトコ天使が魔女と、にゃにゃにゃの性行為をすると、天使の体液が魔女に注がれて魔力が使えなくなる。

魔女にとっては屈辱的な事なのに、あいつは幸せそうな顔をして、しかもこれを投げつけやがった。

リリカは、膝に乗っている百合のブーケを見た。

徴(しるし)をつけたのはグルシアという、天界の武闘派、大天使長だ。

アレクサンドラは酒好きで、
おびき出されて罠に入っちまった。

なんで、あんなにうれしそうに、手を恋人つなぎしていやがるのか!

「お待たせ!!痛みはどうですか?」

サリエルが、バスケットを抱えて速足でこちらに来た。

「ズキズキ・・痛い・・」

リリカは上半身をかがめて、足首に指先を触れた。

「湿布して、保冷材で冷やしましょう。固定しないとマズイかな」

サリエルがしゃがんで、ヒールのポッキリ折れた、華奢なハイヒールを脱がした。

「てめぇ、見るなっ!!」

リリカが、悲鳴に近い声を上げた。
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