緋色の徴(しるし) リリカとサリエル(魔法の恋の行方シリーズ11)
「これって、偏平足でしょぉ?
君、足がデカいのに、無理して
小さいサイズのを履くの、よくないよ」

足が・・デカい偏平足・・ですとぉ!!!

リリカが、観察に余念がない
サリエルをにらみつけた。

「おまえ・・人の一番恥ずかしいところ、平気で見やがって!!
ヘンタイ天使!・・」

その瞳、サファイアブルーに金色の線が走る。

魔女の力が発動する予兆・・だが

サリエルはまったく動ぜず、足首に、自分の指を触れ軽く押し付けた。

「痛みがありますか?」

この大天使の前では、魔力の発動は無理だ。
おまけに敷地が聖域になっている。

リリカはあきらめて、うつむいた。

うぐっ、うぐっ、

サリエルが見上げると、リリカは唇をかみしめて、鼻息荒く呼吸している。

<まったくしょうがないな>
というように、上着のポケットからティッシュを取り出し、リリカに渡した。

「ヘンタイって言われてもね。
別に、足のサイズは恥ずかしいことではないですよ。
偏平足は結構あるし」

サリエルはリリカの足首に、湿布を当てて、包帯で巻き付けた。

「ほら、鼻かんで。やっぱり、すぐに整形外科に行ったほうがいいですよ。
レントゲンで確認したほうがいい」
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