【コンテスト参加作品】私が愛した人は、殺人犯でした。
「文哉……この前、同窓会、参加してたよね?」
「あ、ああ……」
「まさかだけど……その中に、犯人がいるとか?」
信じたくはないというような表情をしている文哉であったが、その可能性が高いことも、また事実としか言いようがなかった。
「でも、だったら、なんで……そのことを知ってるの?」
「俺にも、分からない。……どういうことだ」
「同窓会に参加した人の中に、怪しい人はいなかった?」
「いや、いなかったと、思うけど……」
だとしたら、なんでこんな手紙が……。
誰かが文哉のその秘密を知っているからとしか、思えない。
こんなことをする目的は、何なのだろう。……まさか、復讐?
誰かが、文哉のことを狙ってる……?
「本当に……いなかった?」
「そう言われると……いたような、いないような……」
「思い付く人はいない?」
「……いや、分からない」
「……そっか」
しかし文哉の元には、その後も脅迫と思わしき手紙が数日間届くようになった。
私たちは、その度に恐怖を感じるようになった。
「文哉……また?」
「ああ……まただ」
今日の脅迫文には【罪を償え。人殺し!】と書いてあった。
「ひどい……」