【コンテスト参加作品】私が愛した人は、殺人犯でした。
嫌がらせの手紙
「……ありがとう、杏珠」
「話してくれて、ありがとう」
しかしそんな私たちを、ある出来事が襲うことになるなんて、思ってもなかったーーー。
✱ ✱ ✱
それは、文哉の告白から二か月後のことだった。
「ただいま」
「あ、おかえりなさい」
「文哉、文哉宛に郵便来てたよ」
「お、ありがとう」
文哉宛の郵便を文哉に渡すと、文哉はそれをゆっくりと開封する。
「……え? なんだ、これ……」
すると突然、文哉の表情が変わったのだった。
「文哉? どうしたの?」
文哉の手は震えている。
「文哉……?」
恐る恐る、その手紙を覗いてみる。 するとーーー。
「な、なに、これ……?」
その手紙には【お前の罪を知っている】という内容が書いてあったのだった。
「文哉、これって……」
まさか、そんなまさか……だよね?
「……俺の罪を、誰かが知ってるって、ことだよな」
「でも、誰が……?」
文哉の話によると、当時の事件の話は同級生なら誰でも知っているとのことだった。
そして何より不可解なのは、文哉は一週間ほど前、同窓会に参加していたことだ。その同窓会に参加した後、こんな手紙が届いたのだった。