マイシス××。


「いってらっしゃいませ」

川田さんという人は近くで見てみると、想像していたより若くみえた。
20代かな?なんて思ったところで、"帰りもお迎えに参ります"と言葉が続けられる。


そして、



「鈍っくせーなぁ、ついて来いよ」

なんて低い声を出す物凄く不機嫌そうな、"シグレ"という男の子が歩きはじめるから、


「ま、待って、下さい……」


慌ててついて足を踏み出した……まではいいのだけど。


驚いて、言葉が出てこない。

昨日のお屋敷もそうだったけど、私が踏み入れた場所は、真っ白な世界が広がっていたんだ。



< 11 / 33 >

この作品をシェア

pagetop