マイシス××。



「ここが、理事長室」

"シグレ"がそう口にして、理事長室についた時には目が回りそうな位にチカチカしてしまっていた。
建物だけじゃなくて、校舎、廊下も床も殆どのものが真っ白だった。
もちろん、理事長室も例外では無かった。



「おー、シグレ」

オジさん……40前位だろうか。
中に入ると、この"シグレ"って人と少しだけ似ている男の人が座っていて言葉を続ける。


「あ、その子が噂のコハルちゃんね。はいはい了解」

「俺は聞いてねーけどな……」

「そうなの?」

「しかもあのジジイ、今朝からニューヨークだとさ」

「あはは、逃げられた訳だ」

知り合いなのかな?
男の人は大きな笑い声を上げてから、私にと目を向けた。


「あ、俺、この日和学園の理事長。柏崎 要《カナメ》。コイツの叔父なんだけどな」

「え、あ……はい。よろしくお願いします」

突然、話をふられるからびっくりして声が上擦ってしまう。


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