マイシス××。
朝の点呼も、HRも、先生の話も。中学の頃とは何か違っていたし、テレビで見たものとも別な感じがした。
すぐに1時間目の授業が始まって、隣の席のアコちゃんが教科書を見せてくれた。
でも、実際に授業が始まってみて、1番困っているのは内容が全く分からない事。
授業をしている英語の先生はきっと発音は凄くいいのだと思う。
だけど、勉強が全然理解出来ない。
はぁ……。小さな息を吐いて窓の外にぼんやりと視線を落とせば、学園の園庭が視界に入った。
流石に園庭は白くないんだな、なんて、自然と口元が緩む。
そんな中、"シグレ"って人は何組なんだろう。ふと、そんな事が頭に過る。
あの後、"シグレ"は私を1年A組の教室の前の廊下まで連れてきて姿を消してしまった。
"シグレ"は目に見えて苛々していたし、凄く怒っているのは分かったけど。
でも、この学園で私の知ってる数少ない人だから。
そして、次の瞬間──、
教室のドアが、ガラッと勢いよく開かれた。