マイシス××。
私の身長の2倍以上はある真っ白な鉄格子の門。
そこから続くのは白いレンガ風のアスファルト。その周りには整えられた樹木、名前は分からない真っ白な花が咲いている。
人工的に作られた泉の真ん中の像からは、噴水が水飛沫を上げて吹き出していた。
門をくぐってからも相当歩いたと思う。
白かった筈のスニーカーは泥にまみれていたて、裾が擦りきれたデニムのズボンにいつ買ったか分からないグレーのパーカーも色褪せている。
なんで、こんな場違いなところに私なんかがいるかのか分からないけど。
「凄い……」
ポツリと吐き出された私の台詞は、とても小さなもの。
目の前には、今まで見たことのないような白い豪邸が広がっていた──。