マイシス××。
「何しにきた……?」
髪の毛も髭も真っ白なのに、強力な威圧感を醸し出すこの人の、低く太い声が天井の高すぎる部屋の中に響いた。
「……」
「忙しいんだ。用がないなら帰って貰おうか」
言葉が出なくて立ち尽くしす私に冷たい視線を向けられるから、ゾッと全身が震えだす。
「こ、……こはる…です」
手をギュッと握りしめて、
「わ、私……、桜田小春といいます」
押し潰されそうな重い空気に、緊張で震える声を絞り出した。
「ふん、こんな所まで来やがって」
「あの……」
「いつか来ることは分かってた」
舌打ちと共に続けられる言葉に本当にこの人と知り合いなんだと、複雑な気持ちなる反面、安堵の息が漏れた。