『執愛婚』~クリーミー系ワンコな部下がアブナイ男に豹変しました

「大学で何学んだの?」
「……経営関連とかマーケティングとか……色々」
「そうなんだね」
「何でそんなこと、急に聞くの?」
「ん~、ちょっと部長とそんな話になって」
「へぇ~」

突然質問したからかな?
ちょっと空気が重たい。

あ、そうだ。
ビールを冷蔵庫に入れとかなきゃ。

「これ買って来たの。冷蔵庫に、入れて……?」
「……え?」

ダイニングテーブルの上にコンビニの袋を置いた、次の瞬間。
背後から覆い被さるように体が拘束された。

「もう一回、言って」
「………入れて?」
「入れていいの?今、ここで?」
「……え?」

耳元に呟かれた言葉を拾い集める。

………あ。
この子、また私を揶揄ってる。

「そういう意味「エロっ」
「っ……」

止めて、おかしな変換するの。
被せ気味に呟かれた言葉に、耳まで真っ赤になる。

「変態っ」
「かわいっ」

翻弄されてるなぁ……私。



翌日、八神くんを連れて外回りをしていると。

「あ……」
「どうしたの?」
「姉貴からメールで号令かかった」
「号令?」
「ん」

ちょっぴりムスッとしてる様子から、お姉さんとのやり取りの話を思い出してしまった。

「姉貴の子供が今日退院したみたいで、お祝い持って来いって催促来た」
「フフッ、お姉さん、面白い人だね」
「傍若無人なだけだよ」
「でも、姪っ子さんのお祝いはしないと」
「……ん」
「あっ、…ちょっとあそこの商業施設寄ってこ?」

八神くんの腕を掴んで、駅前の商業施設へと。

< 103 / 126 >

この作品をシェア

pagetop