『執愛婚』~クリーミー系ワンコな部下がアブナイ男に豹変しました

揉みしだかれ、吸い上げられて、甘噛みされて。
緩急つけながら、たっぷりと時間をかけて。
体の隅々まで愛でるように優しく解かれる。

「どうして欲しいですか?」
「……ふぇっ?」

突然投げかけられた言葉に、パッと瞼が開いた。

「して欲しいことあったら、してあげますよ?」
「っ……」

何なの、それ……。
そんなこと、言われたことない。

男の人は、勝手にするもんだと思ってた。
今まで付き合って来た彼らがそうだったから。
当然そういうものだと思ってたのに。

「特にないっ。……ってか、よく分からないっ。そんなこと、聞かれたこともないから……」
「へっ?……マジですか、それ」
「………ん」

Yシャツのボタンが全部外されてて、見事なまでに割れてる腹筋が視界に。

「何となく、分かったかも」
「……?」
「先輩、何も悪くないですよ」
「……え?」
「たぶん、過去の男がクソなんです、きっと」
「……っ」

彼が言いたいことは通じた。
私が今まで経験して来たことは、あまりいいものではないらしい。

「耳弱いから攻めて~とか、満足するまで時間かけて~とか、何でもいいですよ?」
「っ……」
「初めて記念日に、先輩のご希望、何でも叶えるんで」

五歳も年下の彼にきゅん死しそう。
今まで付き合った彼は、同じ年か年上だった。
だからこんな風に言われたことも、扱われたこともない。

「じゃあ、これ、脱いで…?」
「……了解です」

Yシャツをほんの少し抓んでみた。
だって、私だけほぼ全裸って、不公平すぎる。

Yシャツを脱ぎ捨てた彼の上半身が露わになった。
やっぱり、いい体してる。

「これも」

スラックスを軽く抓んで、おねだりする。
これでフェアでしょ。


「先輩、……もう後に引けないですよ?」
「……ん」

クスっと笑った彼。
こんな甘い空気感、初めてでどうしていいのか分からない。

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