『執愛婚』~クリーミー系ワンコな部下がアブナイ男に豹変しました

とうとう抱いてしまった。

久しぶりだったからなのか、俺の腕の中でぐっすり寝ている先輩。

っていうか、全然、“不感症”なんかじゃねーし。
どちらかと言ったら、敏感な方なんじゃないかと思う。

キスにもちゃんと反応したし、俺のものにも反応を示してくれた。
それに、不感症ではありえないほど、ローションも全然必要ねーし。

どこが不感症なの?
相手の男が不感症なんじゃねーの?

あ、いや違うか。
テクが無いんだわ、きっと。

彼女との言葉のやり取りで把握した、過去の男の痕跡。
あまりにもクソすぎて、マジで腸煮えくり返る。

どんな男だよ。
彼女をぞんざいに扱った野郎どもは。
ぶん殴りにでも行かなきゃ、気が済まねぇっての。

さっきまでの情事を思い出し、にやけが止まらない。
マジであの顔、反則すぎる。
それと、声も……。


寝顔も可愛いなぁ。
ずっと見てられる。

気持ちよさそうに寝息を立てている彼女が愛おしい。
もっと早くに出会えたらよかったのに。

そっと優しく頭を撫でる。

朝起きたら、やっぱりナシ!とか言われたらどうしよう。
念書を書いて貰うんだったかな……。
交際宣言を録画しときゃよかったかも。

酒にノックアウト気味で、余裕が無さすぎて。
もう少し上手く立ち回れたらよかったんだろうけど。

「先輩、……俺のこと、好きになって下さいね」

胸元で握りしめてる手をそっと取り、優しく指先にキスを落とす。

「おやすみ、俺のお姫様」

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